2019年2月3日(日) 秋田県助産師会研修会『皮膚科医に聞いてみたい!~妊婦さんと赤ち ゃんのお肌の相談事~』 皆さまからいただいた質問へ講師の先生よりご回答いただきました。
2019年2月3日(日)に『皮膚科医に聞いてみたい!~妊婦さんと赤ちゃんのお肌の相談事~』というテーマで研修会を開催しました。
講師は、医療法人皮膚科 岡田医院副院長の岡田裕子先生です。妊娠中の皮膚疾患、妊娠中・産後のスキンケア、新生児・乳児の皮膚疾患とスキンケアについて、母親にどう伝えるかという点についても触れながら、わかりやすく教えていただきました。
大変興味深い内容で、参加者の皆さまからも多くのご質問がありました。先生よりご回答いただきましたので、ご紹介いたします。
1. 沐浴剤は肌に洗浄成分が残ることはよくないのかと思っていましたがどうでしょうか?
新生児のスキンケアについて書かれている文献には、沐浴剤についての記述は見つけられませんでした。新生児の沐浴に石ケンを使用するか否かについては様々な意見があり、必ずしも毎回使用する必要はない(川上理子 MB Derma No.95 2004)、石ケンは週3回までとするのがよい(川上理子 MB Derma No.95 2004)
2. ドライテクニックを行っていて、沐浴を入院中(およそ初産婦で産後5~6日間)に1回しか行っていないのですが、毎日保湿剤を使用したほうが良いのでしょうか?
国立成育医療センターの研究では生後1週間目から毎日保湿をしています。
3. 新生児に使用する保湿剤はいろいろ売られていますが、市販のワセリンで保湿でも良いということがわかりました。その他、避けた方が良いものや避けた方がよい成分などはありますか? また、オイルはどうでしょうか?
保湿剤は市販のものを含めると多くの種類があるため、いろいろと試しながら、実際に患児の皮膚に塗ってみてかぶれないかどうか、保護者の塗り心地はどうか、などで選びます。無香料・無着色・防腐剤無添加のものが望ましいでしょう。(馬場直子WOC Nursing 2018/8 Vol.6 No.8)オイルは成分によると思います。
4. 出生後すぐの中毒疹が強く出る子と、そうでない子では何が違いますか?
出生時体重2500g以上で出産した症例の方がそれ以下の症例より発症が多い(最新皮膚科学大系 特別巻1 7-8)
5. 中毒疹も保湿で良いですか?
特に治療を必要としない。個疹は4~5日で治癒し、皮疹の新生も生後10日程度でみられなくなり、2週後には完治する(最新皮膚科学大系 特別巻1 7-8)
6. あせもがあっても保湿したほうがいいですか?
あせもの際は、保湿剤を油脂性軟膏(例ワセリンなど)からローション剤に変更する( DermaMB No271 2018)
7. 頭皮にも保湿したほうがいいですか?
保湿した方がよいです。
8. 日焼け止め(赤ちゃん・妊婦さん)は必要でしょうか?
必要です。無香料・無着色・紫外線吸収剤・防腐剤無添加で石ケンで簡単に落とせるものが望ましいでしょう。